クリーニングマシンは
「重要なコンポーネントの一員」である
私は、レコード・クリーニングマシンを
アクセサリーや周辺機器とは考えていない。
LP再生における重要なコンポーネントの一員、
それも、なくてはならない存在だと考えている。
アナログ再生は、
プレーヤー、アーム、カートリッジ、フォノイコライザー、アンプ、スピーカー
といった要素が一体となって成立する、極めて繊細なシステムである。
そのどこか一つでも状態が悪ければ、
最終的に耳に届く音楽は、必ずどこかで損なわれる。
その中で、意外なほど軽視されがちなのが
レコード盤そのもののコンディションだ。
しかしこれは、再生システムの中で最も上流に位置する要素であり、
ここが不完全であれば、いかにほかを磨き上げても限界がある。
どれほど高価で優秀なカートリッジを使っていても、
汚れた溝をトレースしている限り、
そこから引き出せる情報量には限界がある。
針先は、盤面に刻まれた情報以上のものを
読み取ることはできないからだ。
近年、オーディオコンポーネントの価格は著しく高騰している。
100万円を超えるカートリッジも、いまや珍しい存在ではない。
もちろん、それらが優れた製品であることに疑いはない。
しかし私は常に、ひとつの疑問を感じている。
その性能を、本当に引き出しきれているだろうか。
その視点で考えたとき、
20万円前後で導入できるバキューム式クリーニングマシンは、
ちょっとしたコンポーネントのグレードアップよりも、
はるかに本質的な効果をもたらす存在だと思っている。

クリーンメイトの後継機・BLANC PUR NEO(ブラン・ピュール・ネオ)
しかもその効果は、
特定の一台、一つのパーツに対してではなく、
手持ちのすべてのLPに等しく及ぶ。
これは他のコンポーネントには、なかなか見られない特徴である。
だから私は、クリーニングマシンを
「余裕があれば導入するもの」とは考えていない。
LP再生を真剣に楽しもうとするなら、
最初から再生システムの一部として
組み込むべき存在だと考えている。
それは音を派手に変えるためではない。
音楽を正しく、誠実に再生するための土台を整える行為である。
レコードというメディアが本来持っている情報量を、
きちんと受け取るための、不可欠な工程なのだ。

クラシックレコード専門店・(株)ベーレンプラッテ 代表取締役
1961年新潟生まれ。
10代からクラシック音楽やオーディオをこよなく愛し、大学・大学院では建築音響を専攻(工学修士)。修了後は、ホールやオーディオルームなどの設計・施工などに従事。2002年からは、輸入クラシックレコード専門店であるベーレンプラッテを立ち上げ現在に至る。
年数十日はヨーロッパ(オーストリアやドイツなど)で過ごし、レコード買い付けや各地のコンサートホールやオペラハウスを奔走する毎日を送っている。
アナログ(音元出版)や放送技術(兼六館出版)などの雑誌にも多数寄稿。
クラシックレコードの世界(ミュージックバード)などの番組でも活躍。
五味康祐のオーディオで聴くレコードコンサート(練馬区文化振興協会)講師。
ウィーン楽友協会会員
ベーレンプラッテ
店主やスタッフたちが、直接ヨーロッパで買い付けをした良質なクラシックレコードのみ扱う専門店。
また、店舗でも使用している店主たちが厳選したレコードケア用品(クリーニングマシンやオリジナル内袋など)も販売中。
<公式SNS>
Facebook:ベーレンプラッテ
Related Posts
None found

