内田光子とラトルのベートーヴェン

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の自主レーベル、「ベルリン・フィルレコーディングス」から発売されているLPはすべて「初回プレス限定」で売りきれ後は入手が難しく、中にはプレミアがついているものさえある。
今日紹介する内田光子とラトルのベートーヴェンはまだ幸いにも在庫が若干残っているのでお求めはお早めに!

ベートーヴェンのピアノ協奏曲としてはベルリン・フィルにおいては、カラヤン時代にはワイセンベルク、アバド時代にはポリーニと同曲の全曲録音を残しているので3回目のレコーディングである。

内田光子は、ラトル&ベルリン・フィルとの共演も数多く(ベートーヴェンをはじめ、モーツァルト・メシアンなど実に30回)、2008/9年のシーズンには、「アーティスト・イン・レジデンツ」としても招かれ、ベルリン・フィル自体とも親密な関係がある。

内田光子はインタビューで「イギリス人は、ベートーヴェンを“所有”したことがない。だから寛容なのです。それが、私がロンドンに住んでいる理由なのです。」と述べている。

そして、イギリス人のラトルとの共演とあって、いままでなかなか聴くことができなかったユニークなベートーヴェン像を描くことに成功している。

具体的に言うと、「力強さよりも、優美さそして繊細さ」を非常に感じることができるベートーヴェンであるということ、であろうか。

特に私が感動したのが、各協奏曲の第二楽章(ゆっくりとしたテンポの楽章)である。

彼女の紡ぎだす、表情豊かでなおかつ繊細さを極めた見事な音楽の美しさには、息をのむばかりだ。もちろん、奇数楽章の生命感に溢れる音楽も何度聴いても新しい発見がある。ラトルの指揮も実に充実していて、ある時は内田のソロにぴったり寄りそり、またある時はベルリン・フィルを雄弁に語らせ実にフレッシュなベートーヴェンである。

この演奏、実は私はすでにCD(SACD)で聴いたことがあったが、今回のLPで聴き直してみると、ベルリン・フィルハーモニー・ホールの空間の中でピアノを聴いているという臨場感がLPでのほうがより感じられ、好ましく思い一気に全曲を聴き通してしまった。

なおこのセット、従来通りボックスの装丁や解説書なども非常に豪華で、付録(!)として、このときのライヴ映像(全5曲)のブルーレイ、そしてデジタル音源のダウンロードなどなど充実した内容なっており、所有する喜びも感じることができることもうれしい。

このベルリン・フィルからのまさに贈り物といって良いLPセット、すでにいままでリリースされたものは、ほとんど売り切れとなっている。お求めは、お早めに!

内田光子とラトルのベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集

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