前回お話しした、ギーゼキングの未完成に終わったベートーヴェンの「葬送」と「田園」の録音セッションは、
1956年の10月20日から23日に行われた。この最終日の23日にギーゼキングは倒れることなる。
実はこれとほとんど並行して、
10月19日・20日そして21日に同じくベートーヴェンのピアノソナタ、
第9・10・13そして14番「月光」の録音が行われたのである。
それも、「ステレオ」録音で!
同時期に行われた録音で、一部分がステレオで録音された理由は定かではないが、この時期はモノラルからステレオ録音への移行時期だったのでその機材等のためだったかもしれない。
あくまで推察であるが・・・

唯一のステレオ録音・ギーゼキングのベートーヴェン/ピアノソナタ第9・10・13・14番「月光」
こちらの演奏も誠に素晴らしい!
一言で言えば、「無垢な」ベートーヴェンだ!
ちょっと聴くと、無味乾燥な音楽に聴こえてくるが、さらに深く聴いていくと、絶妙なニュアンスが聴き手に静かに伝わってくる。
残念ながら、彼は32曲のソナタのうち25曲のみしか録音しなかった。(できなかった)
しかし、それは「25曲のみ」ではなく「25曲も!」なのだ。
私たちはそれに感謝して、彼の録音に耳と心を傾けなくてはいけないのだ。
ありがとう!
今日紹介したLP
ベートーヴェン/ピアノソナタ第9・10・13・14番「月光」

ベートーヴェン/ピアノソナタ「葬送」・「田園」(第3楽章まで)


クラシックレコード専門店・(株)ベーレンプラッテ 代表取締役
1961年新潟生まれ。
10代からクラシック音楽やオーディオをこよなく愛し、大学・大学院では建築音響を専攻(工学修士)。修了後は、ホールやオーディオルームなどの設計・施工などに従事。2002年からは、輸入クラシックレコード専門店であるベーレンプラッテを立ち上げ現在に至る。
年数十日はヨーロッパ(オーストリアやドイツなど)で過ごし、レコード買い付けや各地のコンサートホールやオペラハウスを奔走する毎日を送っている。
アナログ(音元出版)や放送技術(兼六館出版)などの雑誌にも多数寄稿。
クラシックレコードの世界(ミュージックバード)などの番組でも活躍。
五味康祐のオーディオで聴くレコードコンサート(練馬区文化振興協会)講師。
ウィーン楽友協会会員
ベーレンプラッテ
店主やスタッフたちが、直接ヨーロッパで買い付けをした良質なクラシックレコードのみ扱う専門店。
また、店舗でも使用している店主たちが厳選したレコードケア用品(クリーニングマシンやオリジナル内袋など)も販売中。
<公式SNS>
Facebook:ベーレンプラッテ
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